『DEVILMAN crybaby』作品情報
製作年:2018年 製作国:日本 原作:永井豪 監督:湯浅政明 脚本:大河内一楼 音楽:牛尾憲輔 主題歌:電気グルーヴ キャラクターデザイン:倉島亜由美 デビルデザイン・デビルキャラ:押山清高 声の出演:内山昂輝/村瀬歩/潘めぐみ/小清水亜美 他 全10話
『DEVILMAN crybaby』の感想
原作のデビルマンのストーリーを最初から結末までをアニメで描いたのって、今作の『DEVILMAN crybaby』が初めてなんですってね。そんなことちっとも知りませんでしたよ。
さて、この『DEVILMAN crybaby』なんですが、個人的には正直ちょっとイマイチだったかなあと、内容以前にキャラデザや演出なんかが、もうちょっとどうにかならなかったんですかあ?とは思いましたね。
人物のデザインは悪くないんだけど、悪魔のデザイン、あれはダメだよ。
村上隆の描くイラストみたいで、ちっとも悪魔に見えない。
それと『エウレカセブン』のコーラリアンに似たような感じもしましたね。
それでもザコ悪魔だけがそういうデザインだけならまだしも、シレーヌやジンメンとかゼノンまでもが、村上隆テイストになってしまうのはいただけません。
主要悪魔もザコ悪魔と同様に単純な線と色だけで描かれているもんだから、全然印象に残りませんでした。
主要悪魔だけでも原作にあったような不気味さが欲しかったですね。
悪魔を現代アート風にしてどうすんだよ?って話ですよ。
去年、六本木ヒルズでやってた「ドラえもん展」なんてのを見に行ったのですが、村上隆とかですね、現代アーティストの人たちがドラえもんの絵を描いたりしておりまして、だけどこんなの見たってちっとも面白いと思いませんでした。
昔、松本大洋が描いた「ドラえもん」のパロディ漫画を読んだことがあるのですが、こっちのほうがよっぽど面白かったですよ。
大体こういう企画は現代アーティストの人たちに頼むんじゃなくて、つげ義春先生とか鈴木翁二先生とか白土三平先生とか花輪和一先生とかさいとうたかを先生とか村上和彦先生たちのような、「ドラえもん」なんか絶対描かなさそうな漫画家の先生たちに頼んで描いてもらったほうが絶対に面白いと思うんですけどねえ。
現代アーティストのドラえもんは、見る前からこのアーティストだったらこんな風なドラえもんになるんだろうなあってのが大体想像がついてしまうから、実際に見てもあまり感動することがないんですけど、つげ義春先生や村上和彦先生などが描くドラえもんなぞはまるで想像がつきません。
こういった漫画の大家たちによる「ドラえもん展」先生たちが生きているうちに是非とも実現して頂きたいものです。
話が少し脱線してしまいましたが、『DEVILMAN crybaby』の話に戻ります。
それでせめてね、主要悪魔キャラだけでも牧村美樹ちゃんの例のアレぐらいのクオリティにして欲しかったとは思いましたよ。
それと悪魔デザイン以外に気になったのが、『DEVILMAN crybaby』は闇の中でのバトルが多かったんですけど、まあ、闇の中でバトルするのは全然かまわないんですが、ただ、その闇がちょっと暗過ぎると思いました。
暗過ぎてバトルの展開が非常にわかりずらかったですね。
これはNetflixで海外向けにも配信されるものだから、アニメでの残酷描写を緩和させるための演出なのでしょうか?
こういうのが理由でバトルシーンを暗くしたのであれば、そもそも何で「デビルマン」をNetflixでやっちゃうの?って話になってしまいますが、ここら辺の事情はどうなんでしょうかね?
後、内容ですがまあ、シナリオ自体は悪くはないと思いますが物語の展開がちょっと速過ぎるようには感じました。
これは原作にはないオリジナル要素を詰め込みすぎせいだと思います。
最後に
以前、湯浅政明監督が松本大洋の『ピンポン』をアニメ化したことがありましたけれど、私は湯浅監督の『ピンポン』を見て大変な衝撃を受けました。
松本大洋の描く、あの漫画の絵でアニメーションを実現させていることに本当にびっくらこきましたよ。
前に映画化された『鉄コン筋クリート』を遥かに超えた作品だと思いました。
だけどこの『DEVILMAN crybaby』からは、『ピンポン』を観たときのようなアニメーションの新しい可能性を感じさせるものは何一つ感じなかったというのが私の率直な感想です。
それとNetflixはサイコジェニーのアップをサムネイル画像で使うのはヤメロ!
あれだとパッと見、何のアニメ何だかわからないよ。

電気グルーヴの曲はよかったけどね。
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