Netflixオリジナル映画『世界で一番殺された女』感想と評価

この映画作品は、かつてフランスに存在したグランギニョル劇場を舞台に、この劇場の看板女優である、実在した女優ポーラ・マクサを主人公としておりますが物語自体は創作です。

作品情報

製作年:2018年 製作国:アメリカ/イギリス/ベルギー 監督:フランク・リビエール 脚本:フランク・リビエール 出演:アナ・ムグラリス/ニールス・シュナイダー/アンドレ・ウィルム/他 上映時間:102分

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あらすじ

グラン・ギニョル劇場の舞台に立つポーラ・マクサは、妄想癖があって、ストーカーにも付け狙われているけど、殺され役で大人気の女優さん。

この映画はそんな彼女の物語。

『世界で一番殺された女』の感想と評価

タイトルにあります『世界で一番殺された女』とありますのは、グラン・ギニョル劇場では見せ物小屋的なホラー演劇と言いましょうか、グロ系な芝居を売りしておりまして、そういった芝居でポーラ・マクサという人は殺される役ばかりを演じていた女優さんであったと、そういう意味でのタイトルです。

グランギニョル劇場では、特に芝居の中での殺し方というものに大変に力を入れていたそうで火あぶりですとか、ギロチンでの人体切断などを、当時としては斬新な特殊効果を使って、観客に披露しては好評を得ていたようです。この特殊効果の制作を担当していたのがポールというお方、劇中にも登場いたしますが、この方も実在の人物でございます。

そして肝心の映画の出来なんですが、かつて実在しました劇場、人物に加え「切り裂きジャック事件」的な要素を足して調理した結果、見事に面白くない作品に仕上がっております。

これだけ良い素材を揃えれば面白くなりそうではあるんですが、やはりそこはNetflix制作の事だけはありますね。

とにかく構成に難がありまして、非常に分かりづらくなっております。

ポーラ・マクサが妄想癖がある設定になっているんですが、それに加え過去を回想したりもするもんだから、映画を観ているこっちとしては彼女の妄想なのか、回想なのかってのかが、非常に判断しづらい仕様になっています。

それと、ポーラ・マクサと恋仲になる新聞記者がおりまして、ポーラと一夜を共にして、朝になってポーラの家を出ますと。バイクに二人乗りをした男たちに突然追い掛け回され、挙句の果てには銃を発砲されたりもして、新聞記者はなんとか逃げ切って事なきを得たんですが、しかしこの一連の描写ってのがずーっとほったらかしにされていて、「結局アレは何だったんだろう?」と思っていましたら、終盤近くになって新聞記者が今度は劇場の外で、男にいきなり拳銃を突き付けられて車で拉致されるんですが、どうやら男たちはマフィアのようでありまして、新聞記者が以前マフィアに批判的な記事を書いた事に対して激怒して、新聞記者を以前から付け狙っていたようです。

はい、本筋とはまったく関係のないエピソードですね。

こういった余計なエピソードというものも構成が分かりづらくなる一因でございます。

ちなみに新聞記者が、その後どうなったのかというと新聞記者の出番はマフィアに車に乗せられたところまでなので、彼がどうなったかは一切わかりません。

「切り裂くジャック事件」的な要素も、雰囲気を出すためだけに取り入れたとしか思えない。

いろんな要素を詰め込んだはいいが、上手くまとめられなかった映画の見本のような作品だと思いました。

個人的評価

巨匠
巨匠

この映画の☆☆

雰囲気と音楽は悪くないけど、それだけの映画だったよ。


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