映画『マジカル・ガール』は駄作でしかない

マジカル・ガール(字幕版)

作品情報

製作年:2014年 製作国:スペイン 監督:カルロス・ベルムト 脚本:カルロス・ベルムト 出演:バルバラ・レニー/ルシア・ポシャン/ホセ・サクリスタン/ルイス・ベルメホ/他 上映時間:127分

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あらすじ

余命僅かの娘が日本のアニメーションの魔法少女のコスチュームを欲しがっておりまして、しかし、それがまた高価なシロモノで、おまけに父親のルイスは情けないことに現在は無職の文無しなもんだから、とてもじゃあないがそんな高価なもんを買える状態じゃない。

どうにかこうにか金を工面しようと奔走するんでございますが、高価なコスチュームを買うには全然足りません。

じゃあ、しょうがねえってんで宝飾屋で強盗でもしようとした矢先に空からゲロが降ってきてルイスはゲロまみれになりました。

それは宝飾屋の上の階に住むバルバラという名のご婦人のゲロでありまして、睡眠薬と酒を同時に服用したもんだから気持ち悪くなっちゃって思わず窓から吐いちゃったんですな。

何故流しではなく窓から吐いちゃったのかと申しますと、流しで吐いちゃうと話が前に進まなくなってしまうからでありまして、話を前に進めるためにわざわざ窓からゲロを吐いたんですな。

で、バルバラは「あら、ごめんなさい。お洋服を汚してしまって、よかったらお洗濯しますわ」てんで、ルイスを部屋に招き入れたんですな。

ルイスは服を脱いでシャワーを浴びて、おまけに部屋にはバルバラが一人きりなもんだから、ルイスは「奥さん・・・・・・」てな具合で、バルバラのほうも満更でもない様子。

ルイスは携帯であんなことやこんなことの一部始終を録音しておりまして、翌日になって「不倫をばらされたくなかったら金をよこせ」とバルバラを脅迫するんですな。

そっから登場人物たちの歯車がだんだんと狂って破滅へと向かっていくのでした。

『マジカル・ガール』の感想と評価

タイトルにある「マジカル」ってのが魔法少女のコスチュームというだけで、全編通してセコイ犯罪のお話なんですが、しかし、どういう訳だかこの『マジカル・ガール』って映画を語るのに『魔法少女まどか☆マギカ』を引き合いに出して嬉々として語る一部奇特な方がおりまして、「まどマギ要素なんて皆無なのに一体どういうつもりなのかしら?」と不信に思っておりましたら、この映画の監督さんがインタビューで「まどマギ」に言及しておりまして・・・・・・

魔法少女にあこがれて…衝撃のスペイン映画のモチーフは「まどマギ」と「セーラームーン」 - シネマトゥデイ
白血病に侵された少女の願いが引き起こす悲劇を描く衝撃のスペイン映画『マジカル・ガール』のカルロス・ベルムト監督が、「魔法少女まどか☆マギカ」「美少女戦士セーラームーン」など本作のモチーフとなった日本の魔法少女アニメに対する愛を語った。

ああ、こっから「まどマギ」を引っ張ってきたのかぁと思ったのですが、しかし、この監督さんはインタビューでキュゥべえの事をネコと言っていて、この発言だけでも「まどマギ」に大して思い入れがないというのが丸わかり。

まったく、冗談じゃあない。

こんなセコイ犯罪映画と「まどマギ」を一緒にすんなって話ですよ。

それと、この『マジカル・ガール』がフィルム・ノワールだとの指摘にも私は首肯しかねますね。

私が存じ上げております、フィルム・ノワールの作品というものは『三つ数えろ』、『過去を逃れて』、『マルタの鷹』、『現金に体を張れ』といった主に1940年代、50年代のアメリカの犯罪映画、もしくはその時代の風格を漂わせるような作品で、例えば1974年製作のポランスキーさんの『チャイナタウン』等です。

こういった一連のフィルム・ノワールの作品群と、『マジカル・ガール』は同様のジャンルの映画として扱うべきだというのは甚だ疑問に感じますね。

『マジカル・ガール』が犯罪映画だというのを前提としてフィルム・ノワールの特徴である、「道徳、倫理観の欠如」とか「退廃、虚無的」であるとか、「ファム・ファタールという、宿命の女の存在」を備えている、「だからフィルム・ノワールなんだよ☆」と上記の理由だけで断定してしまうと、『トラック野郎』などもフィルム・ノワールになってしまいますね。

では、『トラック野郎』がフィルム・ノワールの特徴を備えている理由を挙げてみましょうか。

まず登場人物たちがスピード違反や公務執行妨害を繰り返す犯罪映画で、トイレ以外での排泄行為といった道徳、倫理観の著しい欠如、主題曲である「一番星ブルース」の歌詞の内容と「トルコ」は退廃、虚無的ですし、ファム・ファタールの存在は毎回登場するマドンナがこれに当てはまります。

ご覧の様に『トラック野郎』が見事なまでにフィルム・ノワールだというのがお分かり頂けましたでしょうか。

フィルム・ノワールという言葉をこうやって、いい加減に使っていくと『木枯らし紋次郎』も『八つ墓村』も『やくざの墓場 くちなしの花』もフィルム・ノワールになりますな。

まあ、だけどそんなことは別にどうでもいいんだろうね。

私は嫌ですけれども。

個人的評価

巨匠
巨匠

この映画の評価は☆☆

こんな映画よりも『トラック野郎』のほうが遥かに面白いわっ!

コメント

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