広告代理店臭がキツイ映画『クソ野郎と美しき世界』感想と評価

クソ野郎と美しき世界

作品情報

製作年:2018年 製作国:日本 上映時間105分

この映画は4本の短編からなるオムニバス形式になっておりまして、最初の3作品で稲垣吾郎、香取慎吾、草彅剛がそれぞれが主演を務めて、4作目でその3人が揃った物語が展開されるといった構成になっています。

以下、それぞれの作品についての個人的見解とまとめ的なものを語りたいと思います。

[ad]

『ピアニストを撃つな!』

監督兼脚本:園子温 出演:稲垣吾郎/浅野忠信/馬場ふみか/満島真之介 他

感想

馬場ふみかが走って、それを浅野忠信と満島真之介たちが追いかけて稲垣吾郎がピアノを弾ているってだけの内容ですね。

ちゃんとしたストーリーなんて物はありません。まあ、これは4作全てに言えることなんでございますが。

個人的にはこのエピソードだけが4作品の中で唯一映画になっているかなあと。

まあ、ほとんど走っているだけの内容なんですが、個人的には映画として一応成立しているかとは思います。

園子温がプロの映画監督だというのを(映画監督としての力量はともかく)改めて実感致しました。

あと、このエピソードの中で稲垣吾郎は髭を生やしていましたが、なんかそのお髭姿が作家の島田雅彦先生にちょっと似ているなあと思いました。

まあ、どうでもいいことではございますが。

『慎吾ちゃんと唄喰いの巻』

監督兼脚本:山内ケンジ 出演:香取慎吾/中島セナ/古館寛治/川上友里 他

感想

タイトルにある「唄喰い」というのは、どうも妖怪の類のようなモノで。よくわからないんですが、なんか唄を食べちゃう女の子が出てくるんです。

物語の冒頭で繁華街の路地で女の子が一人で座っていまして、「腹減った」と何度も呟いております。その後、付近でストリートミュージシャンが演奏を始めようってところへ女の子が近づいていきます。ストリートミュージシャンが唄を歌おうとしたら、唄が出てこないってんでパニックになってしまいました。どうも歌詞をど忘れしたとかそういうことではなく、唄そのもが消滅してしまったと。

で、女の子がなんか口をモグモグしているんです。女の子の口の中には他人の唄が入っているといった様子でございます。

こんな感じで女の子は人の唄を次々に食べちゃうんですな。

それでこの後、女の子は香取慎吾と出会って慎吾ちゃんの唄も食べてしまうといった感じの話です。

このエピソードの監督と脚本を担当した方は過去に映画を4本ぐらい撮っているみたいなのですが、元々は広告代理店系列会社出身のCMディレクターの方らしくて、いかにもそういった人が作りそうな作品といった印象を持ちましたね。

まあ、アイデア勝負だけの物語でした。

『光へ、航る』

監督兼脚本:太田光 出演:草彅剛/ 尾野真千子/新井浩文/健太郎 他

感想

この物語は爆笑問題の太田光氏が監督と脚本を担当しております。

太田氏が映画を監督するのは『バカヤロー!4YOU!お前のことだよ』以来です。

太田氏は映画を撮るの何年振りになるんだろう?

バカヤローの映画はまだ太田氏が二十代の頃だったですからねぇ。

それでこのエピソードは草彅剛が主演でチンピラ役で尾野真千子と夫婦という設定で、2人の間には野球の上手い男のお子さんがいて、その子は半年もの間眠ったままで目を覚ますことなく、男の子の右腕がどこの誰かに移植されて、草彅剛と尾野真千子の夫婦が息子の右腕を探す旅に出るというなんだかよくわからないエピソードで、個人的には一番つまらなかったエピソードです。

太田氏は何年も前から映画を撮りたいということをラジオなどでずっと言っておりまして、私は爆笑問題のファンなので太田氏が映画を撮るのを楽しみにしていたのですが・・・・・・

しかし、このエピソードを鑑賞して私はかなりガarッカリしました。

この出来じゃあ太田氏がこれから先、映画を撮るのは厳しいのではと思いました。

『新しい詩』

監督兼脚本:児玉裕一 出演:クソ野郎★ALL STARS

感想

どこかのクラブで各エピソードの登場人物たちとかが集まってお祭りみたいな様子でわいわいやってるだけのエピソード。

このエピソードでは香取慎吾なんかが唄ってたりしているから、ファンの人たちには楽しいのかもしれない。

これもあれだ、2番目のエピソードとは別の人だけど、広告代理店出身の人が監督と脚本を担当していますね。

もう本当、いかにもそっち方面の人が作りそうなエピソードだもんなあ。

まあ、とにかく全体的にちっとも面白くない映画でした。というより映画と言っていいのかなあコレは?

そもそも『クソ野郎と美しき世界』は企画自体が広告代理店出身の人たちによるものなんですが、企画やシナリオがどんなテキトーな物でもテレビの人気タレントを起用しておけば企画が簡単に通って、お金もいーっぱい集まって、人気漫画とかの映画化企画だったらもっともっといーっぱいお金が集まっちゃうんだよ、たとえ興行的に失敗しても、いーっぱい集まったお金は一番最初にもう懐に入れちゃったから、お客さんがぜんぜん入らなくたって、国民のみんなから酷評されたって、お金はもう一番最初にいーっぱい懐に入れちゃったんだからへっちゃらへーきの助なんだもんね☆といった広告代理店的発想をどうにかしないと日本映画の復活などあり得ないと痛感させる映画ではありました。

個人的評価

巨匠
巨匠

この映画の評価は☆

続編やるんだってね。

またお金がいっぱい集まるから良かったね。


Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です