ギレルモ・デル・トロの映画『パンズラビリンス』感想と評価

パンズ・ラビリンス (字幕版)

作品情報

製作年:2006年 製作国:スペイン/メキシコ 監督:ギレルモ・デル・トロ 脚本:ギレルモ・デル・トロ 音楽:ハビエル・ナバレテ 美術:エウヘニオ・カバレロ 出演:セルジ・ロペス/マリベル・ベルドゥ/イバナ・バケロ/ダグ・ジョーンズ 他 上映時間:119分

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あらすじ

1944年のスペイン。少女オフェリアの前に突然現れたキモい妖精さん。オフェリアはキモい妖精さんに導かれて迷宮へと足を踏み入れると、そこには迷宮の番をしているパンとかいうのがいて、いきなりオフェリアに対して「あなたこそ王国のプリンセスだ」「3つの試練を受けろ」とかなんとか意味不明な事を言い出したものだからオフェリアは成り行きで3つの試練に挑むことになってしまいました。

『パンズラビリンス』の感想と評価

スペイン内戦を舞台にしているからか「パンズラビリンス」はビクトル・エリセ監督の「ミツバチのささやき」の影響を受けていると一部の方々からのご指摘がございますが、実際はどうなんでしょうかね。

私が観た限りでは「パンズラビリンス」を鑑賞して「ミツバチのささやき」を想起することもなかったし、正直さほど影響を受けているようには思わないんですよね。

それよりも私は「パンズラビリンス」は、なんだか水木しげるの漫画っぽいなあと強く感じました。

もちろん「パンズラビリンス」が水木しげる漫画の影響を受けているとは思いませんが。

監督のギレルモ・デル・トロは日本の漫画やアニメにある程度、造詣が深いとのことですがおそらく水木しげるのことは知らないだろうし、漫画も読んだことはないと思われます。

だけど、なんとなく水木しげるっぽいんですよ。

作品の雰囲気といったらいいんでしょうか。

自分でも何でだろうと思ってギレルモ・デル・トロのことをいろいろ調べてみたら、ギレルモ監督は小っちゃい頃におばあちゃんの家で劇中にも出てくるパン(羊の角の様な物が付いてるアレな人)とかいうのを実際に見たというじゃないですか。

それ以外にも幽霊とかUFOに遭遇したりとの体験の持ち主。

そういえば水木先生も子供の頃に「べとべとさん」とか「ぬりかべ」とかの妖怪に遭遇したことがあったなんてことを書いていたのをどこかで読んだ記憶があります。

ギレルモ監督と水木先生は幼少の頃に、こういった得体の知れないモノに遭遇した体験を作品に反映させているから作品の雰囲気がなんとなく似てくるのかも知れません。とは言っても勝手にそう思い込んでいるのは私だけなのですが。

「パンズラビリンス」の少女オフェリアが現実の世界と異界を行ったり来たりして、オフェリアの体験したことが現実に起こったことなのか、あるいは妄想だったのかと、なんだか曖昧になって終わったと感じるのはギレルモ監督自身が目に見えない何かが見えてしまうという、現実世界と異界とが曖昧な世界に身を置いている人だからこそなのかなあと、これもまた私は勝手にそう思い込んだりしてしまいます。

水木先生の漫画作品も「パンズラビリンス」同様に現実世界と異界が曖昧でオチも結局あの出来事はなんだったんだろう?といった終わり方の作品が実に多いです。

けど、水木先生がギレルモ監督のように幽霊やUFOに遭遇したという話は聞いたことがありません。

そっち系の話はどちらかというと、つのだじろう先生が専門です。

つのだじろう先生は霊魂とUFOを3度も見たことがあると「恐怖新聞」の単行本のカバーコメントに、そう書いてありました。

かといって「パンズラビリンス」が、つのだじろう先生の「恐怖新聞」とか「うしろの百太郎」に雰囲気が似ているかというと、これはまるで似ていませんね。

個人的評価

巨匠
巨匠

この映画の評価は☆☆☆

僕は若い時分に「ムー」を愛読していたんだよ。


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